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商標登録の審査を早める方法

 商標登録までにかかる時間を早めるイメージ

商標登録をするためには、特許庁の審査をパスすることが必要です。

この審査結果が出るまでには、現在、出願から約1年程度の時間がかかっています。
商標登録の完了までとなると、約1年数か月かかることが多いでしょう。

この話をすると、審査期間が予想以上に長いことに、驚く事業者の方も少なくありません。「もう数か月後には、商標を使い始める予定なのに…」と、使用開始前に審査結果が出ないことを不安に感じる方も多いと思われます。

実は、特許庁では、所定の条件を満たす場合に、商標登録の審査期間を短縮する運用をおこなっています。もし、条件を満たせそうであれば、これを上手く利用することで、商標登録までの時間をかなり早めることが可能となります。

そこで本ページでは、これら商標登録の審査を早める方法について、ご説明いたします。




1.商標早期審査

商標登録の審査を早める方法として、まずは「商標早期審査」の制度が挙げられます。
(以下、「早期審査」と言います。)

早期審査とは、所定の条件を満たす場合に、出願人が申請をすることによって、審査期間を「約2か月」に短縮できる制度です。

早期審査が認められると、商標登録までにかかる時間を劇的に早めることができます。

ただし、所定の申請(「早期審査に関する事情説明書」の提出)が必要となります。
印紙代はかかりませんが、特許事務所(弁理士)に依頼する場合は、手数料が発生します

劇的に審査期間を短縮するものですから、早期審査が認められるかは厳格に判断されます
早期審査が認められるための条件は数パターンありますが、なかなか複雑ですので、できれば専門家である弁理士にご依頼されることをお勧めいたします。

なお、出願の種類や、商標のタイプによっては、早期審査が対象外となる場合がありますので注意が必要です。

このように、認められない場合もそれなりにはあるものの、現状、商標登録の審査を早める方法としてもっとも有効なのは、この「早期審査」と言えるでしょう。

早期審査に関する詳細は、以下の特許庁のページをご参照ください。
商標早期審査・早期審理の概要


2.ファストトラック審査

※お知らせ(2023/3/17)
 「ファストトラック審査」は、審査期間の短縮化が進んだことに伴い、
 2023年4月1日以降の出願より休止されることが特許庁より発表されました。
  【重要】特許庁がファストトラック審査の休止を発表(当サイト記事)

商標登録の審査を早める方法として、「ファストトラック審査」の運用も挙げられます。

ファストトラック審査とは、所定の条件を満たす場合に、審査期間を「約6か月」に短縮できる特許庁における運用です。

早期審査とは異なり、別途申請をする必要はありません。
条件を満たす場合には、自動的に適用となります。
ただし、特許庁によれば、「通常案件同様、案件によっては、審査に時間を要するものもあります。」とのことですので、条件を満たす場合でも、100%適用されるわけではない点には注意が必要です。

ファストトラック審査が認められるかどうかは、具体的には「願書における指定商品・指定役務の記載のしかた」によります。この点、早期審査と比べると、条件としてはかなりシンプルです。

短縮できる期間としては早期審査には及びませんが、利用のしやすさを考えると、これで通常の審査期間を約半分にできるというのは、魅力的と言えるでしょう。

なお、ファストトラック審査を受けることを優先して願書を作成した結果、適切な商標登録(商標権の取得)ができなくては本末転倒ですので、注意が必要です。ファストトラック審査の利用に際しては、メリットとデメリットのバランスをしっかりと検討することが大切です。

とはいえ、商標登録の審査を早める方法としては利用しやすく、やはり有効と言えます。

ファストトラック審査に関する詳細は、以下の特許庁のページをご参照ください。
ファストトラック審査


3.その他

商標登録までにかかる時間をできるだけ短くしたいなら、上述のように審査を早める方法が有効ではありますが、「審査自体を長引かせないこと」を意識するのも大切でしょう。

審査で一度拒絶理由通知が出されると、その対応にかかった分だけ、商標登録までの時間は長引いてしまいます。特に、意見書を提出した場合には、うまく「登録査定」になったとしても、審査官が再審査をする時間(通常、数か月)も余計にかかることになります。

ですから、事前に完璧にした上での出願は難しいこともありますが、少なくとも、不明確な指定商品・指定役務の表記をしたり、区分や指定商品・指定役務の誤記をしたりといった、「初歩的なミス」や「うっかりミス」に注意することは、結果として、商標登録までの時間を最短とすることに繋がるでしょう。

なお、特許庁の審査着手状況は、以下のページで確認できますので、ご参考ください。
商標審査着手状況(審査未着手案件)