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アニメ偽物グッズを景品にして書類送検(東京)
(2016年12月2日)

<新着ニュース> by 永露祥生

インターネット上の報道によると、アニメ「ラブライブ!」の偽物グッズをクレーンゲームの景品に使ったとして、11月29日、ゲームセンター「秋葉原クレーン研究所」の経営者らが著作権法違反(頒布目的所持)の疑いで書類送検されたとのことです。

なお、ゲームセンターを著作権法違反容疑で摘発するのは警視庁では初のようです。


偽物グッズとゲームセンター

さて、アニメキャラクターの絵柄を無断で複製してグッズにすれば、これが著作権法違反であることは誰にでもわかることです。「秋葉原クレーン研究所」は、秋葉原でもかなり中心に位置していますので、多くの人の目に止まったのかもしれません。本件は経営者の知識不足、リスク認識の甘さによる事件と言わざるをえません。

昔から、ゲームセンターには偽物グッズ景品は決して少なくありません。
全国展開している大型店舗ではほとんどないでしょうが、街でひっそりとやっている店舗では、私も実際に多く見かけたことがあります。

クレーンゲームなどの景品にされていると、実際に入手してタグやラベルを確認しないと本物かニセモノかわからないというのが、タチの悪いところです。また、当然ですが、そのような偽物グッズは世の中に流通していませんので、お客さんからすれば「こんなグッズ見たことない!!珍しい!!欲しい!」という感情が芽生えて、景品ゲットのために、お金をたくさん使うことになります。このような側面もあり、クレーンゲームで偽物グッズを景品とすると、効率良く儲かるのかもしれません。しかし、もちろんこれは許されない行為です。

これまでに偽物グッズを世の中のゲームセンターで見かけた頻度を考えると、個人的には「ゲームセンターを著作権法違反容疑で摘発するのは警視庁では初」というのは意外でした。ご存じの通り、著作権侵害は親告罪ですが、このあたりの影響もあるのかもしれません。現在議論されている非親告罪化が始まった場合、摘発される店舗は増える可能性もあるでしょう。


同人グッズの著作権侵害リスク

ところで、話は変わりますが、たまにインターネット上で、アニメ・ゲームや漫画、人気声優などのオリジナルグッズを無断で作って販売している方を見かけます。いわゆる「同人グッズ」と呼ばれるものです。熱心なファンの方が多いようで、好きが高じてとか、同じファンを喜ばせたくてといった動機から行っているのでしょう。

法律知識のない若い人たちはよく勘違いされるようですが、「大好きだから」とか、「他人を喜ばせられるから」という善意があるからといって、著作権侵害行為が許されるわけではありません。言い方は悪いですが、「同人グッズ」については、「とりあえず著作権者が見逃してくれているだけ」の状態にすぎません。当然、これに多額のお金が絡んでくれば、問題視されるでしょう。著作権者がその気になれば、逮捕されるリスクがあることを忘れないようにしてください。行為自体は違法なのです。

インターネット上では、誰でも自由に使える画像・動画・音楽などのフリー素材も一昔前にくらべて増えてきました。ユーザーの著作権意識が薄くなる傾向にあることは、このような時代の流れによるものかもしれません。しかし、このような時代だからこそ、著作権法が何のためにあるのかという原点を、再考する時だと思います。