類似商品・役務審査基準(国際分類第13-2026版対応)の公表
<新着ニュース> 2025年12月21日
今年も年末恒例の、「類似商品・役務審査基準(国際分類第13-2026版対応)」が、特許庁のウェブサイトに公表されました。
この「国際分類第13-2026版」は、令和8年1月1日以降の出願に適用されます。
今回の改訂は、業界によっては非常に影響が大きい変更点が含まれます。
特に、「眼鏡」、「コンタクトレンズ」、「サングラス」等やそれらの部品及び附属品が、第9類から第10類に区分変更となっている点には注意が必要です。
また、「香料」に関する表記が変更になっており、願書に指定商品を記載する際には要注意です。
今回も、特許庁による「変更点一覧」を確認いたしましたので、本ページで内容をまとめてご紹介いたします。皆様のご理解のお役に立てれば幸いです。
なお、下記の情報は、変更点一覧にある一部を抜粋したものです。
細かな変更点は他にもありますので、併せて上記特許庁のサイトをご確認願います。また、国際分類表の変更点も併せてご確認されることをお勧めいたします。
今後、更なる変更や修正・訂正が入る可能性もあります。
情報のご利用に当たっては、適宜特許庁のホームページもご確認願います。
1.新規追加
「国際分類第13-2026版」では、以下の商品・役務等が新たに追加されています。
・第5類「アロマテラピー用オイル」(04D01)
・第24類「レース生地」(16B01)
・第34類「たばこ用香味料」(04D01)
・第39類「船舶による物品の輸送の媒介」(39F01)
・第41類「吹き替え」(40D01 42S01)
現在、「精油」は第3類に分類されておりますが、これが今後は用途によって他の区分に細分化されることになり、「製造用精油」(04D01)などが追加されています。
「追加」という点では、国際分類表に基づく「参考」欄における追加の方が、実務的な影響は大きいかもしれません。たとえば、以下の役務が追加となっております。
・第42類「サービスとしての人工知能の提供(AIaaS)」(42X11)
2.区分の変更
「国際分類第13-2026版」では、以下の商品・役務等の区分が変更となります。
※類似群コードも「03C01」→「03C01 07A03」に変更されます。
・第9類「高周波ミシン」 → 第7類
※類似群コードも「11C02」→「09A67」に変更されます。
・第9類「眼鏡」 → 第10類
・第9類「コンタクトレンズ」 → 第10類
・第9類「サングラス」 → 第10類
・第9類「鼻眼鏡」 → 第10類
・第9類「普通眼鏡」 → 第10類
・第9類「眼鏡の部品及び附属品」 → 第10類
・第9類「コンタクトレンズ用容器」 → 第10類
・第9類「鼻眼鏡のマウント」 → 第10類
・第9類「鼻眼鏡用鎖」 → 第10類
・第9類「鼻眼鏡用ひも」 → 第10類
・第9類「眼鏡ケース」 → 第10類
・第9類「眼鏡用つる」 → 第10類
・第9類「眼鏡用レンズ」 → 第10類
・第9類「眼鏡用枠」 → 第10類
・第9類「眼鏡ふき」 → 第21類
※類似群コードも「23B01」→「19A06 23B01」に変更されます。
・第9類「消火栓」 → 第11類
・第9類「消防艇」 → 第12類
・第9類「消防車」 → 第12類
・第12類「扉開閉装置」 → 第7類「乗物用扉開閉装置」
※表示変更も同時になされます。
※類似群コードも「12A04」→「09G55」に変更されます。
・第18類「ビーチパラソル」 → 第22類
※類似群コードも「22B01」→「20D01」に変更されます。
・第26類「編みレース生地」 → 第24類
・第26類「刺しゅうレース生地」 → 第24類
・第28類「殺虫管」 → 第21類
・第28類「毒つぼ」 → 第21類
・第39類「ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く。)の貸与」→ 第37類
・第41類「録音又は録画済み記録媒体の複製」 → 第40類
これまで第9類に分類されていた「眼鏡」、「コンタクトレンズ」、「サングラス」等やそれらの部品及び附属品が、第10類に区分変更となります。ただし、「眼鏡ふき」は第21類に区分変更となっておりますので留意が必要でしょう。
「消火栓」や「消防車」など、これまで第9類に分類されていた消防・救命関係の商品も、区分変更となっています。
現在の第9類には、非常に広い範囲の商品が含まれており(いわゆる「第9 類の肥大化」)、国際的にも問題提起・議論がなされているところです。今回の眼鏡関連の商品や、消防・救命関連の商品の区分変更は、この問題点の解消の一環としてなされたという意味もあります。
今後も、第9類から他の区分へと変更になる商品は、増えていくことと思われます。
3.表示変更
「国際分類第13-2026版」では、以下の商品・役務等の表示変更がされています。
・第3類「香料」 → 「香料(芳香用のものに限る。)」
・第3類「調合香料」 → 「調合香料(芳香用のものに限る。)」
・第6類「金属製工具箱」 → 「金属製工具箱(空のもの)」
・第9類「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。)」
→
「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。)」
・第12類「扉開閉装置」 → 第7類「乗物用扉開閉装置」
※区分変更も同時になされます。
※類似群コードも「12A04」→「09G55」に変更されます。
・第17類「接着テープ(医療用・事務用又は家庭用のものを除く。)」 →
「接着テープ(化粧用・医療用・事務用又は家庭用のものを除く。)」
・第20類「工具箱(金属製のものを除く。」 →
「工具箱(金属製のものを除く。)(空のもの)」
・第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」 →
「化粧用具(電気式のものを除く。)」
・第21類「化粧用具セット」 → 「化粧用具セット(電気式のものを除く。)」
・第26類「紙製造花」 → 「紙製造花(「造花の花輪」を除く。)」
・第26類「布製造花」 → 「布製造花(「造花の花輪」を除く。)」
・第26類「プラスチック製造花」 →
「プラスチック製造花(「造花の花輪」を除く。)」
・第28類「印刷したくじ(「おもちゃ」を除く。)」 → 「印刷したくじ」
・第30類「食品香料(精油のものを除く。)」 → 「食品香料」
願書に第3類を含める場合に、指定商品として記載することの多い「香料」が、「香料(芳香用のものに限る。)」に変更となっている点に注意が必要です。なお、これと同様に、その他にも「(芳香用のものに限る。)」の表記が追加された商品が多数あります。
4.類似群の変更
「国際分類第13-2026版」では、以下の商品の類似群が変更されています。
12A04 → 09G55
※区分も第12類から変更されています。
※「扉開閉装置」から表示変更もされています。
・第9類「高周波ミシン」
11C02 → 09A67
※区分も第7類から変更されています。
・第17類「塗装用パテ」
03C01 → 03C01 07A03
※区分も第1類から変更されています。
・第21類「眼鏡ふき」
23B01 → 19A06 23B01
※区分も第9類から変更されています。
・第22類「ビーチパラソル」
22B01 → 20D01
※区分も第18類から変更されています。
多くは区分の変更も伴っているため、注意が必要です。
なお、国際分類表に基づく「参考」欄における変更にも要注意です。
12A04 12A05 12A06 → 12A01 12A02 12A04 12A05 12A06
・第21類「携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの)」
21F01 → 11A07 21F01
・第42類「品質管理」
42Q02 → 42Q01 42Q02 42Q03 42Q99 42Z99
・第44類「植毛」
42C01 → 42C01 42V02
5.削除
「国際分類第13-2026版」では、以下の商品等の削除がなされました。
・第19類「送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。)」(09F05)
まとめ
繰り返しになりますが、今回の改訂により、「眼鏡」、「コンタクトレンズ」、「サングラス」等やそれらの部品及び附属品が、第9類から第10類に区分変更となっている点に特に注意が必要です。
また、願書に第3類を含める場合に、指定商品として記載することの多い「香料」が、「香料(芳香用のものに限る。)」に変更となっている点にも要注意でしょう。
その他の区分においても、細かな表示変更や類似群変更があります。
商標登録出願の多い企業や特許事務所では、願書に記載した指定商品・指定役務の表示を使い回すことも少なくないと思われますが、2026年になったら出願前に今一度、今回の改訂のよる影響がないかを念入りに確認することがお勧めされます。

